
サッカー少年団のコーチには、どんな方がやっている?
私の経験則ではありますが、その多くは「お父さんコーチ」または「卒団生コーチ」です。
卒団生コーチは、文字どおり、そのサッカー少年団出身のコーチ。
小さい頃お世話になった少年団に戻ってくるパターンですね。まさにサケの産卵のように(*^_^*)
一方、お父さんコーチは、子供が少年団と関わりがあって、その延長でコーチを頼まれてやっているパターンです。子供好きなお父さん、はたまた、サッカーが好きなお父さんがやっている感じでしょうか。
いずれもプロのサッカーコーチではありません。
子供をJリーガーに育ててもらおう…なんて期待をしていると肩すかしを食らうかも知れませんね。
では、これぞ草の根サッカーともいうべき少年団のコーチや指導者たちの能力は、レベルが低いのでしょうか。
それは全然違うでしょう。ジュニアサッカーのコーチたちは、地域の子供を預かり、日本のサッカー界のベースを作っているわけです。日本サッカー協会も黙ってはいません。
そう、サッカーにはきちんとしたライセンス制度があり、コーチたちの多くはその指導者ライセンスを取得しているのです(もちろん、見習いコーチなどは例外はありますよ)。
指導者ライセンスとはどんなものなのでしょうか?
正式名「日本サッカー協会指導者ライセンス」は、日本サッカー協会が認定するライセンスのこと。公認コーチにはランクがあって、そのランクは次のようになります。
ライセンス種別 | 概要 | 受講内容 | 受講資格 | 受講費用 |
---|---|---|---|---|
公認S級コーチ | 日本代表やJリーグの監督ができる資格。いわゆるプロチームのプロの指導者 | 短期講習会が10日間、集中講習会が11週間、指導実践が4日間、これに加え、海外プロクラブ(2週間以上)、Jクラブ(1週間以上)の実地研修後、レポート提出がある | 公認A級コーチであること。さらに、公認A級コーチ養成講習会時に成績優秀である必要あり。なおかつ指導実績や競技実績をJFA技術委員会が認めた者。つまり普通にサッカーが好き…なだけではなれません | 25万円 |
公認A級コーチ (ジェネラル) | 第一種、つまりプロや社会人、大学などのチーム指導者が取得するライセンス | コーチング能力向上を目的としている。専門科目を徹底的に指導される。 | 公認B級コーチ資格保有者で、B級コーチ養成講習会受講後1年以上の指導実績がないとダメ。またB級コーチ養成講習会受講時の成績も参考に | 10万円 |
公認A級コーチ (U-12) | 年代別指導者のスペシャリスト。サッカーの専門的な知識あり | 【前期】6日間-実 技:21.5時間、講 義:19.5時間、JFAアカデミー福島/宇城研修:6時間 【後期】5日間-実 技:24時間、講 義:6時間、JFAアカデミー福島/宇城研修:3時間、プレゼンテーション 11時間 | B級ライセンス以上の保持者であり、小学生の指導現場にいる。さらにはコーチングデモンストレーションができることが条件 | 10万円 |
公認B級コーチ | 小学生以下を対象とした最上位ライセンス。プロクラブなどでの指導には必須 | サッカーの基本的な知識や指導力を獲得する。共通科目はeラーニングで履修することも可能。1泊の合宿がある。 | 22歳以上で公認C級コーチの資格保有者 | 8万円 |
公認C級コーチ | D級の上位ライセンス。プレーの原則や本質を理解し、発育発達、技術・戦術理論、コーチング法、プランニングなどの知識保有 | 【講義】-発育発達、技術・戦術理論、コーチング法、プランニングなど13時間 【実技】-ボールフィーリング、ゴールを奪う、シュートなど22時間。指導実践あり。 | 18歳以上で、地域でスポーツ活動を実施している指導者、およびこれから指導者になろうとしている人ならば、誰でも受講可能 | |
公認D級コーチ | コーチの基礎知識保有者。 | 【講義】-発育発達、技術・戦術理論、指導者の役割など5時間 【実技】-ボールフィーリング、スモールサイドゲームなど4.5時間。 | 18歳以上で、地域でスポーツ活動を実施している指導者、およびこれから指導者になろうとしている人ならば、誰でも受講可能 | |
公認キッズリーダー | 就園児や小学生低学年など、10歳以下の子供たちに関わる指導者 | 実技1.5時間、講義1.5時間と非常にコンパクトなカリキュラムを受講 | 16歳以上で、地域でスポーツ活動を実施している指導者、およびこれから指導者になろうとしている人ならば、誰でも受講可能 |
サッカー少年団の指導者は、公認C級コーチやD級コーチ、そしてキッズリーダーあたりが存在しているはずです。少なくとも日本サッカー協会の方針を理解して、未来の日本代表を育てる指導者たちには、多くの時間と費用を費やして指導方法を学び、実践しています。
ましてや貴重な時間を少年団に捧げている指導者たちは、単なるサッカー好きのお父さん…ではないと私は思います。
ライセンス保持者が検討している少年団に何人いるのか、そんな視点で考えてみると
良い少年団なのかどうか、判断材料のひとつになるでしょう。
小学生以下の年代は、何よりもまず、サッカーを好きならなければ意味がありません。
本格的な技術習得は、年代が上がったときから習得すれば良いのです。
そうでなければ、中学生に上がったときに燃え尽きて、サッカーを止めてしまう子供が多くなります。日本サッカー協会からしてみれば、それこそ日本のサッカー界の未来を担う大切な人材が少なくなってしまいます。
未来の日本代表を育てているのです。