ずっとアウェーで行われ続けたさいたまダービー
さいたまダービーにちなんだサッカー語録をひとつ紹介します。
最近は、大宮のホームNACK5スタジアムでさいたまダービーが開催されるのは当たり前になっています。しかし、ご存知のとおり、少し前までは事情が違っていました。
大宮のホームゲームであっても、さいたまダービーが行われるのは、浦和がホームスタジアムとして使用していた「さいたまスタジアム」。
スタジアム観客動員数がJ1最低だった大宮。営業面からしたら、浦和戦は相手チームサポーター動員数が稼げるドル箱試合です。だからこそ観客動員数を増やすため、キャパが大きい埼スタで実施されていました。
しかし、埼スタで行われるダービーは、どう考えても大宮のホームにはなりません。勝利したら嬉しいけれど、どこか腑に落ちない。負けてしまったら、それは屈辱そのものでした。
主税の主張が大宮の未来を変えた
そんなフロントに対して、声を大にして異を唱えたのが
かつて大宮の精神的支柱だった藤本主税でした。
彼のブログ「主税日記」には、こう綴られています。
セレモニーが終わった直後に社長の元へ行き、皆さんもその3試合の内、一番気になるであろう“埼玉ダービー”について聞いたところ、「埼玉スタジアムで…」という返答がありました。
それについても色々と社長から説明を受けましたが、到底納得のいく問題ではなく、何度も変更をお願いしました。
(省略)
もちろん営業の部分や、たくさんの方に観てもらいたいという狙いはあるのかもしれない。それでも、埼玉ダービーだけは“聖地=NACK5スタジアム大宮”でやって欲しかった。
そしてこう断言しています。
俺達のホームスタジアムは“NACK5スタジアム大宮”なんです。
大宮公園こそ、大宮のホームグランド
彼の意見は、当時の大宮サポーターの総意でした。これを名言と言わずして、なんというでしょうか。
その後、フロントが拘った埼スタで、観客動員数水増し事件が起こるのは、何とも皮肉な話です。
主税のおかげで、今のさいたまダービーがあると言ったら言い過ぎなのかもしれません。しかし、今でも大宮にとって忘れられない存在であることは間違いありません。
今こうして大宮の聖地である大宮公園で、浦和と対峙することができるのは、心から喜べることなのです。
▽藤本主税の話、泣けますよ▽