大宮はアトレティコ・マドリードの「死に物狂いで闘う姿勢」を見習うべきだ

diego-simeone大宮アルディージャ

欧州CL決勝戦。延長戦で力尽きたアトレティコ・マドリード。タイトルまであと少しのところでレアルにやられてしまいましたが、あそこまで戦い切ったのですから悔いはないでしょう。素晴らしい試合でした。

我々は涙に暮れるようなプレーはしていない。
選手達は持てる全てを出し尽くしてくれたので、むしろ胸を張るべきだ。

そう語るのは、アトレティコ・マドリードのシメオネ監督。
シメオネ監督
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彼自身も退場覚悟でピッチに入り主審に猛抗議。とにかく闘う姿勢を選手たちに示したのはシメオネ自身でした。
(下の動画はレアルのDFヴァランが行った侮辱行為への抗議ですのでちょっと違います)

戦わない大宮。あまりにも情けないナビスコカップ甲府戦

一方、大宮。先日のナビスコカップ甲府戦を観る限り、何を希望にしたら良いのかわからないぐらいネガティブな試合でした…。戦術がどうのこうのという以前に、闘う気迫がまったく伝わってこない。これは、残念としか言いようがありません。

あのような試合をしていては、選手もサポーターもモチベーションを維持するのは相当厳しいはずです。

陽気な熱血漢、レアンドロの気迫を忘れるな

気持ちが萎える雰囲気に鉄拳を食らわす選手は、やはり大宮には必要です。

たとえば、2007-2008年まで在籍したDFレアンドロ・ダ・フォンセカ・エウゼビオ。当時、仲間の軽率なプレーに血が昇り、試合中にもかかわらず胸を度付いて激怒していたことがありました。下位争いに慣れた大宮に蔓延した生温い雰囲気をいつも一喝してくれた貴重なプレイヤーでした。

2007年アウェイFC東京戦で魅せた、味の素スタジアムでのゴールは誰もが認めるレジェンド。ディフェンスラインからドリブルで駆け上がり残留を決定づけた勇気あるプレーは、大宮サポーターにとって絶対に忘れることはないでしょう。

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大宮を強者に祭り上げた生粋のモチベーター

元大宮のFW、ドリブルジャンキーの異名を持つ桜井直人。ライバル浦和にとっては悪役に徹したプレイヤーでもありました。

浦和を追い出され、東京V経由でライバル大宮へと移籍した彼。さいたまダービーでは古巣浦和に挑発的な発言をすることで、肩身の狭かった大宮サポーターを熱く奮い立たせてくれました。大宮にしてみれば、桜井は最高のモチベーターだったのです。
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佐藤寿人にメンチを切ったルーキーの闘争心

大宮史上、最年少で開幕スタメンを勝ち取った現甲府の新井涼平(当時18歳)は、負けん気の強さでサポーターを湧かせました。

2009年J1第2節広島戦。広島の佐藤寿人を相手にメンチを切り、堂々と立ち向かったあの闘争心は大人しい大宮の雰囲気に一石を投じてくれました。ユース時代にはブラジル留学をしたり、プレシーズンマッチで鋭いミドルシュートを放つなど、新井に対する期待の大きさは相当なものでした。

その後、練習時間に寝坊するという失態を犯し、当時監督だった張外龍氏にこっぴどく怒られて丸坊主に。そこから出場機会を失い、大宮で輝きを取り戻すことはありませんでした。

若気の至りだったと思いますが、FC岐阜にレンタル放出、大宮から契約解除された後ギラヴァンツ北九州とJ2を渡り歩きます。そして現在は、甲府に移籍。J1に返り咲くあたりは、きっと相当強い気持ちで戦ってきた結果なのでしょう。大宮在籍時に魅せた闘争心は今も健在なのです。

大宮の精神的支柱、藤本主税

現熊本の藤本主税もまた熱い選手でした。たびたびレフリーに異議を唱え、無意味なイエローを何枚ももらっていたのはご愛嬌。戦う姿勢、諦めないメンタル、そしてその熱さゆえ愛されたキャラクター。コーナーキックの際、サポーターを煽る姿は、スタジアムを大いに盛り上げていました。

藤本主税に襟を掴まれる平山相太

まったくの余談ですが、平山相太の変顔写真は主税の熱さが生み出した産物。2009年ホームFC東京戦。リードされイライラしていた藤本主税。競り合いで倒れた平山の襟を掴んで「早くたてよっ!」と持ち上げたのがこの一枚。

次世代のモチベーターになれるのは不屈のCB高橋祥平

で、現在の大宮メンバーで闘争心を感じるのは、この人、CB高橋祥平。2013年、ホームC大阪戦では主審の誤審に激情。感情を抑えきれず退場処分をくらったのは記憶に新しいですが、感情の方向が変われば大宮のモチベーターになる可能性は大きい。

あのジャッジには高橋に同情したくなりますが、チームに迷惑をかけてしまったのは事実。これもまた若気の至りなんでしょう。しかしその後、復帰戦となった柏戦で魅せた気迫のゴールはまさに面目躍如でした。

戦う姿勢に共感できるかどうか。これこそフットボールの原点

シメオネは言います。

勝利も敗北も試合の一部であり、紙一重だ。
勝つ時もあれば負ける時もある。
今回、我々には敗北の方が回ってきた。
しかし、勝利が全てだと頻繁に言われる中、我々は敗れたにも係らず喝采を受けた。
これこそがフットボールの素晴らしいところだ。

絶対に勝ってやるという気迫あるプレーを観たい。
そして勝っても負けても勇気を貰いたいのです。

とにかく勝利して、少しでも光を見出したいものです。

▽大熊監督!そろそろ堪忍袋の緒が切れそうです。その前にこれを読んで大宮の何がいけないのか勉強しよう…▽

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