テストの成績が下がったり、仕事でとんでもない失敗をしたり、恋人にあっけなくふられたり。人生って、本当に思いどおりにいかない。けれど人はいつもこう思う。自分の未来を良くしたい。もっと幸せになりたいと。
だからこそ、今までの経験を無駄にしたくない。現実を受け止める。反省をする。そして、努力する。その先に自分が信じた未来があると信じているからだ。
苦しんで、もがいて、また苦しんで。やっと光が見えてきたと思った矢先、サッカーの神様はまた大宮を突き放した。もがき苦しむ私たちを、意地悪にあざ笑っているかのようだ。

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失意の6失点。落胆。絶望。崩壊。茫然自失。かつてないほどのどん底。沈殿した泥のように、今、私たちは漂っている。
こんなとき、いつも陥る負のスパイラルがある。
批難し、罵倒し、不貞腐れる。でも、それが良いことではないということぐらい、みんな頭では理解できている。高ぶる気持ちや感情が制御不能になってしまうだけだ。しかし、その先に見えるものは、何だろう。自暴自棄になっても、失望しか見えてこない。
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失望したときに忘れてはいけない必要な2つとは
こんな苦しいとき、私たちに必要なのは、たった2つじゃないかと思う。自分たちを信じる強靭なメンタルと、この状況を俯瞰で分析する冷静さだ。
絶望に屈しない精神力
ただ修行僧のように現実を受け入れることは、馬鹿げていて愚かにも映る。根拠のないポジティブ思想であったり、事なかれ主義にも見える。
しかし、打たれても打たれても、また這い上がっていくためには、このメンタルが強くなくてはならない。失意や絶望で心折れてしまうことはあるだろうが、現実逃避からは自分の未来を切り開けないからだ。
吹田での出来事は現場にいなかったから何も言えない。だが、少なくともサポーターにできることは、選手たちを信じることしかできない。
0-2で迎えたハーフタイムに、選手を熱く鼓舞していた大宮サポ。今日、大宮サポの熱量は最後まで落ちることがなく(むしろ終盤にかけて増していたようにすら見えた)、見ていて胸が熱くなった。 pic.twitter.com/QXACVnB0cI
— ふぁじきち (@fagikichi) 2017年4月21日
現地組の様子がTwitterに出ていた。少なくとも私は彼らと同志であることに誇りを感じてしまう。
冷静な気持ち
たとえば私のようなサッカーの素人に冷静な判断をすることはできない。この状況を踏まえ、決断実行するのは、渋谷監督や松本強化部長をはじめとするクラブのプロスタッフたちだ。
では、私たちサポーターは指をくわえたまま、頑張れ、頑張れと脳天気に応援だけすれば良いのだろうか。

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今シーズン開幕前に強化部長が言っていたこと
大宮にとって失意の2017年シーズンとなりつつある。
しかし、罵倒や批難するだけでは何も改善しない。私たちに必要なのは、クラブが何を想い、どんなベクトルを思い描いているかを知っておくことしかない。そこで、今一度、強化部長が開幕前に宣言していたことを、今年1月17日に行われたサポーターズミーティングの議事録から振り返ってみたい。
攻守で主導権を握る。ブレない大宮スタイルを確立する。
私と渋谷監督で 選手たちに「こういうサッカーをやっているよ」と口説いて、「ぜひ、そこでやりたい」と 言ってくれた選手たちが、大宮に移籍して来てくれました。このブレない戦術、スタイルというのは、すごく大事になってきています。
大宮が目指すサッカー。それが堅守多攻だ。堅守こそ大宮の代名詞であったが、G大阪戦はその堅守がことごとく崩れ去った。
もしも渋谷監督が解任されて目指している「堅守多攻」と程遠いサッカーをやりだしたら注意が必要だ。しかし、残留争いをするためのサッカーに徹するということであれば、そのときは受け入れざるを得ないだろう。ただし、大宮の未来はまた遠くなるのは間違いない。人生と同じく、一朝一夕ではいかないのだ。

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外国人選手に頼らない
私の考えでは、そこまで外国籍選手に頼るチームづくりはしたくありません。(省略)マテウス選手も、私がブラジルに行って、日本に来てもらいましたが、最初は「なんで彼と契約するんだ」とかいろいろ言われました。でも、今は逆に「完全移籍で取ってくれよ」と言われますからね。みんな言いたい放題ですね(笑)。
こればかりは、5位という好成績を残せたシーズンだったからこそ言えた発言だと思う。
たしかにバックパスや横パスでしかボールを保持できない状況は、この時点で誰も想像していなかったしできなかっただろう。
だが、チームの現状を見る限りでは、個で打開できるプレイヤーの獲得は必要不可欠である。強化部長は「みんな言いたい放題」と一蹴していたが、それは結果あっての世界だからこそである。
かつて大宮に在籍したFWラファエルが、なぜいまでも人気があることを考えてほしい。結果さえ出してくれれば、誰も何も言わないだろう。
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バランスが取れすぎた選手補強
バランスのとれた補強ができたのかなと考えております。
家長や泉澤の放出は絶対に阻止してほしかったが、最終的には彼ら自身が望んで移籍したことである。ここは誰も責めることができないだろう。
松本強化部長が言うとおり、今でもバランスがとれた補強だったと思う。
だが、現状を考えると、素直に首を縦に振ることはできない。ポゼッションサッカーをしたいのに、ボール保持できる家長のような選手がいない。個で打開できる泉澤のような選手がいない。
強力な個性をもった選手がやはり必要だ。ケーキにイチゴがのっていないのだ。バランスがとれすぎた選手補強だったと言わざるをえない。

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大宮はいいクラブだ…と言ってもらえているのか
ここ数年、大宮でプレーしている選手だけではなく、大宮を離れた選手も「大宮はいいよ」と言ってくれています。こうしたことは続けていきますし、これが大宮が本当にクラブとして強くなるときの土台になるのかなと思っています。
本当にそうなのだろうか。これについてはサポーターが想像しても実態はわからない。ただし、少なくとも村上が仙台へ移籍した2014年の時点では、強化部長の言葉通りではなかったはずだ。あれから3年が経過している。だが、まだ3年しか経っていない。村上がチームを去った2014年シーズンに家長が加入したという事実が、また皮肉である。
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まとめ
仕事のストレスは、仕事でしか解消されない。そう友人が言っていた。
「完敗」のストレスは「快勝」でしか解消されないのだ。
大宮が勝たなければ、この暗鬱な気持ちはどこまでいっても拭い去れないだろう。
水曜日、ルヴァンカップをはさむが、次節のJリーグはホームさいたまダービーだ。この試合で、神様が微笑むことを願わずにはいられない。