これで、ようやく今シーズン2勝目。最下位脱出、加えて大前が待望の移籍後初ゴールを決めた。山越の汚名返上となる1点目も、値千金となった大前のゴールも、大宮サポーターの目の前だったのが、またうれしい。
逆転弾の直後、渋谷さんの目にはうっすら涙が。
社長も体調不良で入院。負ければ終わり。完全に追い込まれていた大宮が、どれほど苦しんでいたか。テレビに映し出されたあのシーンを目撃し、何も感じないなら己の感性を疑うべきだ。大宮サポなら歓喜しないわけがない。
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J1第11節 大宮 2-1 仙台
仙台戦である法則を見出した。
「応援で選手を鼓舞する」というのは、はっきりいって理屈である。もちろん、選手たちを勇気づける効果はあるだろう。コールリーダーたちの煽動に誤りはない。だがそれでも、ゲーム内容がつまらなかったり、攻撃の意図や得点のニオイが感じられないと、私たちは魂から叫べない。
事実、前半の応援は力が入らなかった。
山越の軽率な反則により、与えてしまったPK。塩田のダイブで一旦はゴールを阻止できたものの、こぼれ球を仙台FWクリスラン決められてしまう。
だがあのとき、塩田のカバーが一歩遅れていたことに落胆してしまった。なぜ誰も飛び込んで気迫を見せない。大宮の選手たちは他力本願でいいのかと。やはり、そんな心境のままでは声が出てこなくなる。
ところが後半になると一変する。
山越の同点弾でゴール裏は活力を見出した。山越自身がゴールを取り返したという意地も感じた。あれに燃えないわけがない。やはり、気迫や意気込みを感じるプレーこそが声援を後押しする。停滞する嫌な雰囲気を払拭するためには、やはりゴールが必要だ。
応援が選手を鼓舞することはあるだろうが、それは理屈だ。選手のプレーこそが、サポーターを鼓舞してくれるのだ。
逆転弾を放った大前のゴール(トラップも絶品!)はもちろんだが、アシストをした岩上の気迫も素晴らしかった。これも渋谷監督が要求していた球際の強さから出た結果である。
仙台戦もファーストチョイスになれず、ベンチを温めていた岩上だったが、気持ちをみせたプレーは「俺がスタメンを獲ってやる」という必死さがひしひしと伝わってきて、彼を心から応援したくなる。鬼プレスをかけていた瀬川もしかり。惜しいシーンがいくつかあったが、あのプレーをみせてくれれば必ず結果が出てくるはずだ。
あの逆転弾で、ボルテージが最高潮に達したことは言うまでもない。試合終了後、加藤が大きな声を挙げていた。ベンチメンバーもみんなを出迎えていた。一体感が出てきた。思わず目を細めてしまう。
解説秋田豊氏が見た大宮
DAZN(ダゾーン)で解説した秋田豊氏のコメントをまとめてみた。
前半の守備について
大宮の選手たちは、守りの時にボールと相手を見なければならないのに、相手しか見ていないことが多いんですよ。そうするとボールが来そうなときに、必ずマークが外れてしまうんです。
PKの失点について
塩田選手は、いいものを持っている。いいメンタリティを持っている。やっぱり周りの選手たちがなんとかしないと。たとえば、ペナルティエリアの周りに立ったままスタートするよりも一緒に同じタイミングで外からランニングをしてゴール前に入っていく。そうすることによってスピードに乗りながら早くボールに、塩田選手のカバーができるわけですよ。ちょっとしたことですけど、そういうことが今みたいな失点を防ぐことができるんですよねぇ…。こういうところも大宮の苦しい状態を物語っている。止めたら逆にいい流れになる可能性もあるわけですし。準備が足りなかったかな。
大前の逆転ゴールについて
切り替えしてボールコントロールが悪かったけど、うまく持ち直しましたね。
完全に相手の逆を取って。大前選手、チームの流れを大きく変える1点ですね。非常に責任感が強い選手ですから、自分自身を責めていた部分もあると思います。シーズン長いですから、こういう試合も出てくるのでここからですよ。大前選手のこれからは変わってきますよ。やっぱりいろんな葛藤があったと思いますよ。彼中心にチームを作ってもいいと思いますし、彼本来の力を発揮できれば、連勝というのはありますからね。
今後の勝ちパターンについて
ーー後半は、瀬川と江坂の良さが存分に出た試合でした
やっぱり真ん中に2人いたほうがコンビも合いますし、江坂選手の良いところも出ますよね。
ーー大前は決定力もあるしパスも出せる。そして走れる二人がいる
家長選手が右ワイドにいたイメージと同じですよね。タメが出来て、どんどん後ろからわいて出ていく。そして前にはどんどんボールが前に入ってゴールを狙う選手がいる。そういう流れができてきたかなと感じます。あとは菊池選手が戻ってきたのも大きいと思いますね。
渋谷監督記者会見
最後に渋谷監督の会見も記録しておきたい。
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この間、札幌戦で負けて、ルヴァンでも2連敗しているにもかかわらず、ファンサポーターの方が、温かく応援してくれている姿を見て、まぁとにかくもう、今日は選手にも伝えましたけど、とにかく感謝をしてゲームに入って、勝利を届けると。選手たちは、ピッチの中でしっかりと躍動して、結果を得てくれたこと、選手に感謝しています。
札幌戦ではレッズの勢いでということで、札幌さんとやったときには勝たなければいけない相手に残念ながら敗れて戻ってきました。戻ってくる時に、非常に辛い気持ちで帰ってきましたけれども、選手たちは普段のトレーニングからしっかりと準備もしてくれている姿も見ていました。ルヴァンカップでは、残念ながら敗れてしまいましたけれど、今日は選手たちがピッチで最後まで諦めずに、1点取られても慌てることなく1点返して。選手たちの力を信じたことが、良かったかなと思います。
ゲームに関しては仙台さんがしっかりとボールを動かして、ある程度間を使ったり、ワイドを使ったりとそのあたりのイメージはあったので。ただ一方、ワイドを取られてクロスというカタチでPKを与えてしまったので、あそこにカンタンに入れられないような守備が必要かなというふうには思いました。後半そこを修正しました。後半逆に前の意識をもっと高くしたことが1点目のコーナーキック、2点目、まぁカウンターですけども、ああいうカタチで走りきる力、それが今日は実を結んだんじゃないかなと思います。
ですが、今日勝ったからと言って、絶対に緩むことなく。これはもうレッズ戦でみんなそういうものを分かっているので、とにかく次のセレッソ戦に向けてしっかりと、明日1日オフがあるので。あまり勝っていないですけど、選手たちは疲労度もあると思いますので、しっかりと休んで、元気な姿でまた火曜日からトレーニングして、やっていきたいと思います。
また、今日試合開始前に社長が体調不良で。それは選手にも伝えました。選手は社長のためにも、普段やっぱり、我々をサポートしてくれている社長のためにも、勝つということを、その時にまた意志合わせして今日勝って、社長に良い報告ができたのが、すごく良かったし、選手たちのその辺のチカラというのはすごく大きいなと。社長はこれから少しゆっくり休んでいただけるような、リラックスをして試合を見ていただけるように、我々はしっかりと戦っていきたいという風に感じました。
まとめ
勝利ほど、私たちに効く薬はありません。この一勝はかなり大きいはず。ダービー後、連戦はできなかったが、今週末もホームの試合。今度こそ、勝ち点を積み上げるチャンス。個人的にはシーチケの招待券を行使して、友人を連れて行くので彼らを喜ばせてほしいな。