毎年、当たり前のように奉納してきたシーズンチケット。今年は、更新をしないことにした。
もう見ず知らずの兄ちゃんや、おっちゃん、おばちゃんと、得点のたびにハイタッチができないかと思うと、そりゃあもう、さだまさしの「無縁坂」や「転宅」を聴いているときのような気持ちになる。
話は逸れるが、おねえちゃんとだけは、俺、ハイタッチしない。うん、しない。というか、向こうからしてこないことが多い。どうも人を選んでいるらしい。
大宮が勝利した後、サポーター同志が肩を組んで歌う「寝ても醒めても」。ひとり観戦のおっさんにとって、あれは、なかなか残酷だ。特に、両サイドをおねえちゃんたちに陣取られるほど、辛いことはない。
こちらも肩を組もうなんていう図々しい気持ちは、毛頭無い。だがおねえちゃんたちは、それ以上だ。まるで路上に落ちている犬の糞を見て見ぬ振りをするように。肩ではなく、ひとり腕を組み、ひとり左右に揺れる「寝ても醒めても」。さだまさしを超えて、森田童子が流れてくる。
とにかく、今シーズのお布施はしない。
アルディージャが嫌いになったわけではない。泣く、泣く、奉納しないのだ。
アルディージャサポーターに育てあげるべく、英才教育してきた上の息子がいう。俺、浪人する!と。受験が終わらぬうちに訳の分からないことを明るく宣言している。塾代だけで、年間、いくらかかると思ってんだ。どん兵衛を何杯食えるか知ってんのか!とは言えず、ただただ、キングヌーを聴きながら「白目」になっていた…。最近知ったんだ、俺。あれ、「白日」っていうんだな。
そんなわけで、ビールとひびきの焼き鳥片手に「走れコノヤロー」と野次っている場合ではなくなった。
2009年頃にクラブが誓っていた「アルディージャの誓い」が頭に焼き付いていて、その誓いの要が一向に実現されないどころか、いつのまにかウヤムヤにされて、WIN☆WINなどとクラブが抜かしはじめたから、こっちからお断りさっ!…と、そういうことにしておきたいぐらい悔しい。
あ、知らない人のために書いておこう。 あの頃のアルディージャの誓い。それはこうだ。
- 2011年までにJ1リーグ優勝
- 2009年までに年間観客動員300,000人
- 2011年までにユース出身からの日本代表選手輩出
- 2011年までにスポーツクリニック参加者100,000人
- 2011年までにスポーツキャラバン500回
- ホームタウンへの練習場整備
- アルディージャのある明るい街づくり
ま、いろいろ実現はしているんだよね、4〜7までは。大宮も、努力している。うん。でも、肝心要の1〜3は、未達なわけで。2なんて、水増ししちゃったわけだし。あ、 いかん、いかん。とやかくいうのは、やめよう。
選手たちがサッカーに命をかけて戦っているように、自分も自分のことに命をかけて戦うときだって、やっぱり必要なのだと思う。
誰々やめろ、もう使えない、今年もがっかり…。そんな文句を言うだけの人生なんて、好かないし、つまらない。
もし同じようにスタジアムに行けず、悔しい想いをしている同志がいるならば、それはそれで孤独ではないと僕はいいたい。
そして君がもし受験生ならば、今は大宮のことを忘れて、必死に目標を勝ち取るしかない。中島みゆきの「ファイト!」を聞けば、少しは気が休まるかもしれない。
ファイト!は、竹原ピストルか槇原敬之のカバーがいい。吉田拓郎と大竹しのぶのカバーも捨てがたい。
甲府のラファエルが大宮に来るときくらいは、スタジアムに足を運ぼうかな。