小学6年生までを中心としたゴールデンエイジ期は、誰にでも訪れる運動能力向上の大チャンス。いわば人生の確変期とも言えるわけです。つまり、ゴールデンエイジという確変期に子供のやる気をたくさん引き出すことができれば、サッカーが飛躍的にうまくなるというわけです。
Rusty Run Away / jenni from the block
では、どうやって子供のやる気を引き出すことができるのか。子供の短所を注意するよりも、長所をほめるほうが良さそうです。
というわけで、ゴールデンエイジ期の子供に対する「正しいほめ方」についてまとめてみました。
子供の欲求について知る
難しい話は好きではないのですが、子供のほめ方について考えるとき、心理学者アブラハム・マズローが唱えた「マズローの欲求段階説」を知っておくと参考になります。
要は、
人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものであり、人間の欲求は5段階に分けられる
ということです。
この人間の欲求について知っておくと、子供を上手にほめることができるようになるのです。
では、人間の欲求はどんな段階に分けられるのでしょうか。ちょっと見てみましょう。

マズローの欲求段階説
1.生理的欲求
生きるために最低限必要な欲求です。お腹がすいたよ、眠たいよ…とか。動物でも持っている欲求ですね。赤ちゃんもこの欲求を持っています。
2.安全の欲求
衣食住に関わる欲求。外的危険から身を守るために欲するもの。普通の大人なら誰でも持っているものですが、幼児はこのレベルに達していません。
小学生なら普通に持っていますよね。裸足で学校には来ませんから^^;
3.所属と愛の欲求
1と2が満たされれば、家族、友人、恋人、チームなどの他者や組織から、受け入れられたいと思うのが、次のレベル。
「お前なんかサッカーやめちまえ!」なんて叱ると子供は極度な不安に陥りますが、これは所属と愛の欲求が満たされないからです。つまりこうした叱り方はタブーというわけですね。
4.承認(尊重)の欲求
みんなから君はすごい!と存在を認められ、尊重されることを求める欲求。
この欲求は、次の二段階に分けられるそうです。
a.初期の承認(尊重)欲求
注目されたりして得られる欲求。
たとえば「サッカーが上手いね」と友だちから思われたり、「ゴールが決まってみんなから祝福されたり」するようなこと。
でも、このレベルに留まることは危険です。チヤホヤされて気持ちよくなっているだけでは、後で必ず壁にぶち当たります。
b.後期の承認(尊重)欲求
このレベルでは、他人からの評価よりも自分自身の評価が重視される。
自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされるそうです。
つまり、自分に自信を持ち、自分の意志で行動できるようになること。息子の少年団チームでは、最終的にこのレベルに到達することを目的としています。
いずれにしても、承認(尊重)の欲求が欠乏すると、「どうせ僕なんか駄目だ…」「何をやっても僕は下手くそだ」という劣等感や無力感が生まれます。そんな状態のまま大人になるのは危険ですよね。
5.自己実現の欲求
自分が持っている力を発揮して、自分の夢を実現しようとする欲求。
ここからのステージは、自己実現の欲求を満たそうと思い始めます。
さらにこの高いレベルに「自己超越の欲求」がありますが、詳細については、Wikipediaを参照してみてください。
ちょっと話が長くなってしまいました。
話をまとめます。
子供は他人から受け入れられることで、自分の欲求を段階的に満たしていくことができる。
つまり、その欲求をきちんと満たしていけるように導いてあげるのが、親の役目です。
おそらく、ゴールデンエイジを迎えている多くの子供が「4.承認(尊重)の欲求」のレベルにいると思われます。
ならば、いかに「後期の承認欲求」のレベルに押し上げてあげるか…を考えながら、子供をほめる(コーチングする)ことが重要ではないでしょうか。
では、どうやって子供をほめてあげるべきか…。続きは、また後ほど(^^ゞ
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