いつの間にか消えてしまった大宮の名物スタジアムグルメ「はなぞのホルモン(花園ホルモン)」
NACK5スタジアムの魅力って、サッカー専用スタジアムで間近でプレーが観られるって他にも、スタジアムグルメを楽しめることがあったはず。
しかも、以前はホーム、アウェイ席関係なく、グルッとスタジアム内を一周できて、好きなモノを食べまくれたんですよね。
なかでも「はなぞのホルモン焼き」は、他サポーターからも好評で、大宮のシンボル的存在になっていたと思うのですが、どうでしょう?
そんな「はなぞのホルモン」が、ここNACK5スタジアムにはじめて登場したのは2011年シーズンでした。
埼玉ダービーが初めてNACK5スタジアムで開催されたのも、このシーズンだったから、大宮が自分たちのホームスタジアムを取り返した原点回帰の年でもありました。
2016年にはACL出場というクラブ史上最高順位の5位に食い込むなど、輝かしい実績を残せたのは、家長のおかげではなく「はなぞのホルモン」による功績だと密かに思うのです。
2018年シーズンまで「はなぞのホルモン」は大宮サポーターの胃袋を満たし続けます。しかし2019年。大宮が一年でJ1に復活できなかったことに落胆するかのように、「はなぞのホルモン」はいつの間にかスタジアムから姿を消したのです。
通販では買えないが、現地に赴かなくても入手可能だということが判明
勝てないことを愚痴っても、チームが強くなるわけでもない。自分にできることを、今、全力で取り組むとしたら、そう、「はなぞのホルモン」を口にすることだけ。
スタジアムから消えてしまった「はなぞのホルモン」は、今どこで何をしているのか?コロナ渦のストレスを吹き飛ばすべく、消えた「はなぞのホルモン」を探す旅に出た。
「はなぞのホルモン」は、秩鉄商事の「ホルモン」として記憶されている方もいるでしょう。
ですが、調べてみると秩鉄商事が「はなぞのホルモン」の生産者ではなく、いわば単なるブローカーでしかない(悪く言うつもりはない)。
「はなぞのホルモン」は、深谷市黒田に店舗をかまえる「黒豚ミート・花園バーク」さんが生みの親。
埼玉県民であれば幸い越境せずに、「はなぞのホルモン」にありつけるということで、車を北に走らせた。
ここさいたま市からは、車で約1時間半。花園インターのすぐ近くなので、高速に乗れば1時間ちょっとでたどり着くはず。
インター近くのJA花園で大量の激安野菜をしこたま仕入れた後、「黒豚ミート・花園バーク」さんへ足を運こびました。

JA農産物直売所には、9時の開店から30分後に到着したが、激安野菜は結構売り切れてが目立っていた
時は、明治29年。今から、100年以上も昔に、先代の笠原五郎吉氏が英国原産のバークシャー種(黒豚)を飼育しはじめたことにより、花園の地は黒豚の飼育が盛んになったそう。

この方が「はなぞのホルモン」生みの親。何もない埼玉に高級黒豚を広めた功績者だ
そんな黒豚のうまさが高く評価され、農林水産省食料産業局長賞を受賞。黒豚生産部門から、昭和51年に小売りを始めたのが先述した「黒豚ミート・花園バーク」さんというわけだ。
そうこうしているうちに、黒豚ミートさんに到着。

国道140号沿いに店舗を構える黒豚ミート・花園バークさん。
ガラス戸にはマジックミラーのような反射材がほどこされていて、外から店内をうかがい知ることができない。知らなかったら入りづらいかもしれないが、店内に陳列する肉の品質を落とさないための工夫をしているのだろうか?
躊躇なく店舗へ入ると、おぉ〜、あった、あった!「はなぞのホルモン」!「はなぞのホルモン」の価格は、100グラム200円。通常は、200グラム前後の袋に入れられており、1袋400円前後で買うことができるそうだ。

こちらの画像は道の駅はなぞので販売されていた「はなぞのホルモン」。NACK5スタジアム販売実績ありの文字が大宮サポーターにとってはなぜかうれしい。
ホルモンの他にメンチカツ、コロッケなどが冷凍で売られていますが、買い物客をターゲットとしているというより、黒豚商品を業者に卸すことをメインとしている雰囲気。
鮮度に徹底的に鮮度にこだわっているため、来店客からの注文を受けてから、スライスや加工をするのだそうだ。

はなぞのホルモンが美味いことは確固たる事実。テレビ東京の取材も受けていた。
よって、遠くからわざわざ足を運んだのに「はなぞのホルモンは」売り切れ…なんてことも、十分に考えられます。お店に足を運ぶなら、前日、事前に電話をいれておいたほうがいい。
実際に電話してみると、お店のお母さんがやさしく対応してくれます。
100グラムが一人分の目安量だそうなので、400グラムを4袋事前予約しておくと、ちゃんとできたての「はなぞのホルモン」を用意しておいてくれたのでした。
そんなに食べて豚にならないのか!と悪口を言われそうだが、冷凍保存ができるので、食べたいときに焼いて食べればいいそう。ストックしておけば、事は済む。
スタジアムで出されていたのは、たしか50〜80グラムほどで350円だったはず。それに比べたら、本家本元の「はなぞのホルモン」は、かなりリーズナブルでゲットできる。
最近は、テレビでも取材を受けることが多くなったそうで、ちょうど店に出向いた前日も「食彩の王国」で花園の黒豚が取り上げられていた模様。

テレビを見て来てくれたの?

いやいや、スタジアムで食べた味が忘れられなくて。
そういうと、お店のおばちゃんは実に嬉しそうだった。
その後ろには店主と思われる方もいて、なぜホルモンが撤退してしまったのか、熊谷での開催がなくて残念だとか、大宮に関する話を聞かせてもらいました。
秩父鉄道沿線の主要駅で売られていること、道の駅「はなぞの」「おかべ」でも入手できること、2022年にオープンが予定されているアウトレットモールでも販売される予定があることなど、有力な情報も教えてくれた。
それでも新鮮な「はなぞのホルモン」を入手したければ、「黒豚ミート・花園バーク」さんに注文を入れて足を運ぶのがよい。
2020年現在、残念ながら楽天市場などのECモール通販で入手することはできないようだが、「黒豚ミート・花園バーク」さんに電話を入れればお取り寄せも可能だという。

メニュー表をもらってきた。黒豚メンチカツもかなり食べごたえがあって、メチャクチャ美味かった!!
絶妙なうまさの秘密は、秘伝の味付けにもあり!
「はなぞのホルモン」そのものも美味しいが、その魅力の理由は、味付けにもあるんじゃないかと思う。
原材料を見ると、醤油、生にんにく、しょうが、大豆、ピーナッツ、味噌、唐辛子、砂糖、清酒、ごま、純正ごま油、青のりと記載されている。

やはりニンニクと生姜をベースにした味のよう。ごま油と青のりの香りもおいしさの秘密なのか。
ピーナッツが隠し味なのかと思ってみたが、お店の方に聞くと、そんなに多く入っていないらしい。
生にんにくとしょうがの味が強く、味噌、ごま油、青のりが、独特なアクセントを生み出しているのだろうか。
家に持ち帰ったら、油をもしかず、ただそのまま厚い鉄板の上で熱して食すべし。野菜は一緒に入れないで炒めた方が、おいしいとのこと。
ただ、炒めたホルモンに、深谷ねぎを刻んで後のせしたら、絶対に美味いはず。

大宮のJ1復活は至大至重だ。それと同時に、はなぞのホルモンのスタジアムグルメ復帰も願わずにはいられない。クラブのスタッフさんに、秩鉄商事さんと一緒に真剣に考えてみてもらいたいものだけど、どうなんでしょ。