元大宮の兄貴ことDFルーカス・ニールが、オーストラリアでは伝説化していた

lucas-neill大宮アルディージャ

元大宮の筋肉アニキこと、DFルーカス・ニール。オーストラリア代表のキャプテンを長年勤めてきた彼が、ブラジルワールドカップのメンバー落ちしたことはすでにご存じの方も多いでしょう。

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オーストラリア代表は、ブラジル・ワールドカップ(W杯)にDFルーカス・ニールを連れて行かないことを決めた。アンジ・ポステコグルー監督が明かしている。

過去にJ1の大宮でもプレーした36歳のニールは、今年2月にワトフォードに加入。しかし、出場機会はごくわずかで、ドンカスターへレンタルされた。

1996年にA代表デビューを飾った同選手は、長年代表キャプテンを務めた。しかし、ポステコグルー監督は出場機会の少なさを考慮して、W杯に向けた30人の選考メンバーにニールを招集しないことを決断している。
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大宮サポーターとしては、彼が代表から外されてしまったのは残念としか言いようがありません。しかし、ニールの近況を考えれば代表落ちはやむを得ないでしょう。

移籍先がなかなか見つからず、やっと見つかったかと思えば出場機会に恵まれなかったり、ハムストリングを痛めたり…。ニール兄貴は、すべてを代表入りに懸けて頑張っていたようですが、ほぼ満身創痍だったようです。

大宮サポーターゆえかなり贔屓目で見たとしても、ニールの年齢を考えると代表入りは難しいだろうな…と考えていた方も多いはず。

まさに潮時。彼にとってはかなり残酷な言葉でしょうが、仕方ないと思うしかありません。

代表落ちは正しい選択だったが
ニールは今も偉大なるプレイヤーだ

オーストラリア国内の反応も「正しい選択」という意見が大半のようです。

ただしオーストラリアではニールは我々が知るイメージするよりも遥かに偉大な選手であるようです。

何せ96回もキャプテンマークを巻いて代表で戦ってきた選手です。日本代表で言えば98回出場した中村俊輔と同レベルの功績。しかもチームを引っ張ってきたキャプテンなのですから、オーストラリア国民にとってニールの代表落ちは衝撃が大きかったのかもしれません。

たとえば、オーストラリア代表のポステコグルー監督。ニールを代表から外したことについて次のように語ったといいます。

W杯でニールが戦えるのか、私には確証がなかったんだ。経歴ではなく、むしろここ半年の状態から決めなきゃならなかった。

レギュラーじゃなかったことや本当に小さなことが、そういう結論に至ったんだよ。

ニールを代表メンバー30人に含まないってことはメンバーの発表前に、直接ニールに話したんだ。重要な事だと思ったからね。彼は今まで6年間もキャプテンを努めてくれた。それに敬意を払うためにね。

このW杯のために並々ならぬ決意をみせていたし、本当によく準備してきたから難しい決断だった。ただ、彼を代表から外すという私の決断は、純粋なものなんだよ。

ニールにはプレーを続ける意欲がまだある。来シーズンには、おそらくヨーロッパでやるんじゃないかな。
The roar your sports opinion
※結構、意訳していますのでご理解を。

代表監督が落選した一人の選手について、ここまでフォローするのは珍しいこと。それだけニールはリスペクトされていた証でしょう。

ポステコグルー監督のコメントを引用したサイト「The roar your sports opinion」には、ニールを賞賛する声が多数寄せられていました。
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ルーカスはオーストラリアサッカーの伝説なんだから。

ニールはよくやったよ。

ニールは伝説だ。俺はレスペクトしている。

Aリーグ(オーストラリア国内リーグ)にいて、怪我もなかったらW杯に行けたんじゃないかな。

もやはニールのキャリアは神だろ。

ルーカス・ニールの勇姿をW杯の舞台で拝むことはできません。しかし彼が現役でプレーし続けれる限り、ニール兄貴の成功を心から祈るばかりです。

一方、オーストラリア代表はニールの想いを背負って闘うことになるわけです。アジアの同志として、大宮の同志として(これは無理やりかもしれないけれど…)、ニールのためにも予選リーグを勝ち上がってもらいたいものです。

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