大宮のブラジル人助っ人MFマテウスこと、マテちゃん。
もう、愛着を込めてそう言わせていただきます。
いや、正確にはですよ。誰も彼のことを「助っ人」だという認識を、
申し訳ないがしていなかったんじゃないかと思わざるを得ません。
マテウスというより、あえてマテちゃんと最近になって呼ばれだしたのも、マテウスを助っ人として大宮サポーターが認めだしたからこそなのではないでしょうか。
2014年8月。
マテウスが未知なるブラジル人として、いや、どちらかというと練習生として来日した際は、ドリブラーだということ以外、何も情報が伝わってきませんでした。
練習場へ足を運んでいるコアサポーターならまだしも、私のようなユルサポにはその正体はまさに未確認飛行物体、UFOそのもののような存在でした。
167cmという、決して恵まれたフィジカル。小さなブラジル人が、ここまで活躍するようになるとはその当時誰が予想したでしょうか。
[adsense]
マテちゃんのプレーはここに注目
大宮のブラジル人といえば、あくまでも私の中ではFWラファエル(2009-2012)が頂点であり、DFレアンドロ(2007-2008)が伝説、DFトニーニョ(2001-2006)は開祖です。
ラファエル・マルケス、日本の思い出を語る=元大宮アルディージャのFW=今年は名門パルメイラスで15得点の活躍
それが、ですよ。
先日の天皇杯のマテウスのゴールをみて、私は完全に悶絶してしまいました。もう、肛門おっぴろげ状態です。
下品な表現ですみません。
でも、それぐらい完膚無きまでに魅了されてしまいました。
マテちゃんの魅力は一体なんなのでしょうか。
とにかく底なしの体力。とんでもないスピード。そして変幻自在のドリブル。
先日の天皇杯のボレーシュート。あれ、間違いなく指折りの美しいゴールでしたよね。
どれもマテちゃんの魅力だと思います。
ですが私的に注目してほしいのは、そこではない。
これでもか!という超人プレーの後に、さきほどまでのプレーが信じられないほど切り替えできないボりディフェンス。
あのサボりっぷりに中盤以降の選手たちは、マテちゃんの分まで走りきらなければなりません。そのマテちゃんのケツ拭いてまーす的な尻ぬぐいディフェンスが観られるところがたまらないのです。
おいおい!ちゃんと守れよ!といいたくなるけど、イザという時にはしっかりディフェンスもしてくれますし、サボるときは「オラ知らねー」といった表情がたまらないのです。
左足じゃなきゃやっぱりイヤーン…というどこか不器用さも垣間見せる姿やゴールを決めればつぶらな瞳で客席にハートマークを作る、あのオチャメな表情もたまりませんね。
たとえば石田三成のような完全主義者ではなく、加藤清正のような人情味あふれるプレーが、マテウスの魅力なんだと、ますます確信してしまう次第です。
きっと近い将来、マテウスは大宮を羽ばたく日が来るでしょう。
それは、かつてJリーグに在籍したフッキのように、大きな成長を見せつけてくれるはずだと信じたい。セレソンになんかなってくれたりしたら、ますます応援したくなるのでしょうね。
ドゥドゥみたいに、人生を踏み外すことなく、とにかく成熟して欲しい。
観ていてワクワクする。いや、それどころか勇気が湧く、そんな選手がマテちゃんなのです。
まとめ
マテちゃんだけじゃありません。今年の大宮は、歴史を塗り替えています。
しかも残留争いを知らないJ1の秋を、こうして経験しているのは初めてです。
一方で、そんな次元の小さい話ではない今の大宮がすごく楽しいんですよね。
横谷の怒りっぷりや、家長のクレバーさや、岩上の悔しさに気を吐く姿や、ネイツの不甲斐ないなかにも誠実なプレーや、慎太郎のやんちゃぶりや、江坂の執念や、播ちゃんの気概、そして、スタジアムの雰囲気。
とにかくすべて観ていて楽しい。
あぁ、スタジアムで声を出している大宮サポーターは、誰がどうみても絶対に幸せです。
週末、勢いに乗って勝ち点3を鳥栖から奪取して欲しいと、心から願わざるを得ません。
もちろん、週末のマテちゃんにも期待です!