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PKの際、主審が注意しておくべきルールとポイント

サッカー審判

先日、少年団の審判仲間と「PKをジャッジした際の確認事項」の話になりました。特に、話が盛り上がったのは、「ペナルティーキックで反則が起きた後の再開方法」について。これは、ベテランの方でも頭のなかが混乱してしまうので注意が必要なんだそうです。ここを理解しているか、そうじゃないかで、レフリーとしての信頼度にも大きく差が出てきそうです。復習のため、整理してまとめてみました。なお、ここで表記するペナルティーキックとは、プレー中に発生するペナルティーキックであり、勝敗を決着させるPK戦ではないことご承知ください。

では、サッカー競技規則第14条「ペナルティーキック」を引用しながら、PKの進行方向とジャッジの注意点をおさらいしてみます。

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photo credit: tabula_electronica via photopin cc

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ボールと競技者の位置について

ボールが置かれている位置をあえて確認する

ボールはペナルティーマーク上に置かなければならない

これは、当たり前ですね。逆に当たり前すぎるのか、プレイヤーがボールをペナルティーマーク上に置いた時、実際にそこまで近づいて目視確認する4級審判はあまりお目にかかれません。

ここまでやると、できる審判に見えます。ぜひ、実行しましょう。

キッカーを特定しよう

キッカーは特定されなければならない。

昔、サンフレッチェ広島がこの反則を犯したにもかかわらず、ゴールが認められたケースがありました。槙野がキッカーとして前に出たものの、後ろから佐藤寿人が出てきてキックしたというやつです。


これは、試合後に問題となりました。ゴールが認められてはいけないシーンです。

ゴールキーパーの位置を確認する

ボールが蹴られるまで、キッカーに面して、両ゴールポストの間のゴールライン上にいなければならない

副審の方は、GKの位置を監視します。ゴールライン上であれば良いのですからGKがライン上を横に動いてもOKです。

キッカー以外の位置を確認しよう

キッカー以外の競技者は、次のように位置しなければならない。

  • フィールドの中
  • ペナルティーエリアの外
  • ペナルティーマークの後方
  • ペナルティーマークから少なくとも9.15m以上(少年サッカーは7m以上)

文字にするとわかりにくいですね。下図の黄色部分にいなければならないということです。
PK時のキッカー以外の位置取り
主審の位置も間違えないように。笛を吹く前に後方の選手の位置も確認します。私は、一度、ペナルティマークより前方にいた選手を見逃したことがあります。

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ペナルティーキックでありがちな二度蹴り

注意が必要な競技規則を一部のみ引用して解説しますね。

他の競技者がボールに触れるまで、キッカーは再びボールをプレーしてはならない

キックしたボールがポストに当たり、キッカーが跳ね返ったボールをゴールインさせた場合は、二度蹴りとなりゴールは認められません。この場合の再開方法は、間接フリーキックとなります。他の競技者が触っていれば問題ありません。GKが弾いたボールをキッカーがゴールした場合は、ゴールが認められます。この違いは注意が必要ですね。

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インプレー前の違反と反則

ここからが本テーマの山場です。攻撃側の反則、守備側の反則、両者の反則がおきた場合の再開方法が実にややこしい!

ペナルティーキックを行う競技者が競技規則に違反する

  • 主審は、そのままキックを行わせる。
  • ボールがゴールに入った場合、キックが再び行われる。
  • ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、試合は、違反の起きた場所から行われる守備側のチームの間接フリーキックで再開される。

ゴールキーパーが競技規則に違反する

  • 主審は、そのままキックを行わせる。
  • ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
  • ボールがゴールに入らなかった場合、キックが再び行われる。

キックを行う味方競技者が競技規則に違反する

  • 主審は、そのままキックを行わせる。
  • ボールがゴールに入った場合、キックが再び行われる。
  • ボールがゴールに入らなかった場合、主審はプレーを停止し、試合は、違反の起きた場所から行われる守備側チームの間接フリーキックで再開される。

ゴールキーパーの味方競技者が競技規則に違反する

  • 主審は、そのままキックを行わせる。
  • ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
  • ボールがゴールに入らなかった場合、キックが再び行われる。

守備側、攻撃側両チームが競技規則に違反する

  • キックが、再び行われる

競技規則を読むと、その場では理解できるのですが、これを瞬時に理解するのは案外むずかしいです。もう少しカンタンにまとめると、以下のとおりになるでしょう。

攻撃側の反則(キッカーと攻撃側)

ゴールイン:PKやり直し
ノーゴール:守備側の間接FKで再開

守備側の反則(GKと守備側)

ゴールイン:ゴールを認める
ノーゴール:PKやり直し

守備側と攻撃側の反則

ゴールイン:PKやり直し
ノーゴール:PKやり直し

つまり、PKの再開方法は「PKやり直し」か「間接FK」だけです。これさえ覚えておけば、焦ることはないかと思います。

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インプレー後の違反と反則

ここからはペナルティーキックが行われた後のファウルについて。

キッカーが再度ボールに触れた場合(ハンドは除く)

先述したキッカーの二度蹴りについてですね。他のプレイヤーが触れる前にボールを蹴ってしまう場合。もちろんこれは守備側の間接フリーキックが再開方法です。

キッカーのハンド

ペナルティーキックをした後、誰かが触れる前に手で触れた場合は、当然、ハンド。守備側の直接フリーキックになります。

PKによって蹴られたボールが外的要因がボールに触れたら?

前方に蹴られたボールに外的要因が当たった場合

ここからはかなりのレアケース。少年サッカーであれば、隣のコートからボールが転がってくることがよくあります。PK中、他コートからボールが転がってきて、ペナルティーキックによって蹴られたボールに当たったら…というような場合、キックが、再び行われることとなります。

ポストやGKにあたって、跳ね返った後に外的要因がボールに当たった場合

相当まれなケースではありますね。この場合、主審はプレーを停止させて、ボールが外的要因に当たった場所からドロップボールを行います。

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まとめ

PKのシーンは、試合の勝敗に大きな影響を与える事項だけに、しっかりと頭に叩き込んでおきたいです。間違えてしまいそうになるのが再開方法です。特に、インプレー直後に反則が起きた場合の再開方法は、やり直しか間接FKになることを叩き込んでおけば、落ち着いてジャッジができると思います。