試合で主審を担当する際、「あれ!?この場合ゴールだっけ?」と、得点のジャッジについて不安になることがありませんか?得点に直接関わるジャッジですから絶対に覚えていなければいけないと思うのですが、試合前になればなるほど頭に入ってきません。
どのケースが得点が認められるのか、認められないのか…というように覚えてしまうと、いつまでも覚えられないので、得点が認められないケースだけをまとめておきます。
※後述しますが、8人制の場合はジャッジが違ってきますので、ここはあくまでも11人制サッカーの場合として認識してください。
相手チームのゴールに入っても得点が認められないケース
補足説明は必要ですが、ある条件下のなかで相手チームのゴールにボールが入っても得点が認められないのは以下の3点と覚えておくと整理しやすいです。
- 間接フリーキック
- スローイン
- ドロップボール
なお、相手チームのゴールに入った時と自陣のゴールに入ってしまったときとでは再開方法が違います。ここでは一度に説明をすると話がややこしくなりますので、相手チームのゴールにボールが入った時に得点が認められないケースだけを取り上げます。
間接フリーキックからの直接ゴール
間接フリーキックは、直接蹴ったボールが相手チームのゴールに入っても得点は認めらません。競技規則第13条に間接フリーキックについての記述があります。
キックされたのち、ゴールに入る前に他の競技者がボールに触れた場合のみ得点となる。
▽下記動画はトリッキーな間接フリーキック
読んで字の如く、間接フリーキックは直接フリーキックではないので、直接ゴールにはいれられません。万一、直接ゴールに入ってしまったら、再開方法は相手チームのゴールキックです。ゴールマウスそのものがそこに無いというイメージでしょうね。
スローインからの直接ゴール
スローインで直接得点することは許されていません。競技規則には第15条にその規約が記されています。
スローインから直接得点することはできない。
これはもう理屈ではなく、ただ覚えるしかありません。
▽下記ゴールはスローインから直接ゴールではなく直前にキーパーがボールに触れているので得点が認められたようです。逆に言えば、GKは傍観していればよかったわけです。
ドロップボールからの直接ゴール
ドロップボールから直接ゴールをすることはできません。
ドロップボールも基本的には間接フリーキックと同じ捉え方をすれば良いと思います。
ドロップしたボールがけられて直接相手競技者のゴールに入った場合、ゴールキックが与えられる。
競技規則第8条「プレーの開始および再開」に上記の規定が明示されています。
万一、ドロップしたボールが直接相手チームのゴールに入ってしまったら、「そこにゴールはない」という認識で、相手チームのゴールキックが与えられます。味方競技者が味方のゴールマウスに直接ドロップボールからゴールに入れてしまったら、当然、相手チームのコーナーキックが与えられます。
直接プレーが認められないと勘違いされやすいプレー
今までは得点が認められないケースでしたが、その逆に、直接相手チームへのゴールによって得点が認められるケースはたくさんありますので、ここでは勘違いしやすいプレーだけを挙げてみます。
- ゴールキーパーのパントキック
- ゴールキック
- キックオフ
ゴールキーパーによるパントキックからの直接ゴール
これも間違えやすいです。パントキックはインプレー中でのキックですから、ゴールに入ったら得点が認められます。このインプレー中であることは重要なポイントです。
たとえば、ゴールキックはオフサイドになりませんがパントキックはオフサイドになるというのは、インプレー中であるか否かの違いであるという認識でOK。
ゴールキックからの直接ゴール
ゴールキックから直接相手チームへのゴールは得点が認められます。
ゴールキーパーもフィールドプレーヤーだと考えれば、フィールドプレーヤーのキックがゴールに入って得点が認められるは当然です。
ただし、ゴールキックから自陣のゴールに入った場合は、オウンゴールではなく相手チームのコーナーキックが正しい再開方法です。
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キックオフからの直接ゴール
これもある一定の条件を満たしていればOKです。
キックオフはボールを相手チームのフィールドに出せばよいわけで、直接ゴールが狙えます(8人制はNG)。
関連記事:「初心者の4級審判が間違えやすいキックオフ時の誤解」
ある一定の条件というのは、キックオフシュートの前に、キックオフ側のチームが相手チーム側のフィールドに侵入していた場合はゴールは認められません。その場合、キックオフのやり直しになります。
競技規則第8条「プレーの開始および再開」に当該規定が明記されています。
すべての競技者は、フィールドの自分たちのハーフ内にいなければならない。
まとめ
初心者のうちはどうしてもジャッジのミスを犯します。ミスを重ねた分だけ落ち着いて試合をさばけるようになりますが、それでも得点に直接絡むプレーのジャッジミスだけは避けたいものです。