4級審判員のライセンス取得の試験で必ず出題される問題
先日、審判講習会に足を運びました。
スパイクの裏を見せてタックルをした選手がカードをもらった話が参考になったので備忘録です。
スパイクの裏を見せてのファウルは危険なプレーですので、カードが出るのは当然なのですが、レッドカードなのかイエローなのかは、状況によってジャッジが違ってくるという話がとても参考になりました。
結論から言えば、スパイク裏を見せつつも膝を曲げながらのタックルはイエロー。足を伸ばして全体重をかけたタックルはレッドというジャッジが一般的なようです。
無謀なプレーだったのか、過剰な力を用いたプレーだったのか。これがカードの色を分けるという話なのですが、ファウルのジャッジについては4級審判員のライセンス取得の際、テストで必ず出題される項目なので復習です。
不用意な、無謀な、過剰な力で
ファウルをジャッジする、ファウルを取るためには、以下の基本的条件が必要です。「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」の中で明記されています。
- 競技者によって犯される
- フィールド内で起こる
- ボールがインプレー中に起こる
さらに、どんなプレーがファウルになるかというと、不用意で、無謀で、過剰な力を用いてのプレーが対象となります。
「不用意で、無謀で、過剰な力」というキーワードはテストに出題される重要ポイントです。
では、どんなプレーだとカード対象になるのか否かですが、おおまかに分けると先のキーワードである「不用意で、無謀で、過剰な力」の3つになるというわけです。
ファウルだがカードが出ないプレー
ファウルが不用意であると判断された場合、懲戒の罰則を追加する必要はない。
サッカー競技規則2014 P117より
不用意なプレーとは、競技者が相手に臨むとき注意や配慮がかけていると判断される、または慎重さを欠いてプレーを行うことである
とあります。
事を大きくすることでもないようなプレーは、ファウルは取るけれどカードは出さないというわけです。
サッカーは、ボールや人に対して強くプレーしなければ、勝負で勝てません。しかしながら、相手競技者への注意や配慮がないとダメだと競技規則では書かれています。サッカーが紳士のスポーツといわれる由縁はここにあるのでしょう。
イエローカードを出すべきファウル
無謀な方法でプレーした競技者は、警告されなければならない。
警告、つまりイエローカードの提示です。
相手選手の安全性を無視したり、配慮に掛けるような危険なタックルはイエロー。配慮していたとしても、結果的に危険なプレーになった場合は、故意でなかったとしてもイエローカードです。
レッドカードを出すべきファウル
過剰な力を用いた競技者には、退場が命じられなければならない。
明らかに必要以上の力で、相手にタックルしたり、ケガをさせるような行き過ぎたプレーはレッドカードになります。
ここで冒頭の話に戻します。一般的にスパイクの足裏を見せて相手にタックルするのはレッドカードだと思われがちですが(少なくとも私は勘違いしていました)、そうではないということが勉強になるわけです。
足裏を見せていたとしても、タックルの瞬間にファウルを犯したプレイヤー本人が「まずい!」と思って、膝を曲げて危険を回避しようとしていたら、レッドカードで退場というジャッジにはならないのです。
危険なタックルであったとしても、それは過剰な力を用いたわけでなく、結果的に危険なプレーになったケース。
まとめ
主審はこれを走りながら動きながら瞬時に判断することが要求されます。なかなか難しいです。