久しぶりにサッカー少年団についてのお話です。
先日…といってもだいぶ前の話になるのですが、とある有名ブロガーの方が息子にサッカーを習わせるなら…という話をエントリーしていました。
その記事の主旨を要約すると
子どもが小さいうちはスクールで技術を徹底的に磨いて欲しい
というのです。
人それぞれ考え方が違うのは当たり前のことですし、そうした信念をもって子育てをするのは素晴らしいです。
ただ、どうしても同意できない話であったりします。
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サッカーは楽しんでこそ技術が習得できる
息子が小学生になる前、サッカーを始めたいと言い出した頃を思い出しました。
大宮のゴール裏でいつも息子を抱っこしながらよく観戦したものです。ゴール裏の迫力を知ったからか、サッカーの楽しさに気がついてくれました。
しかし、いざサッカーを本格的に始めるとなると、チーム選びが結構大変。当番制があってとても大変そうな近所のサッカー少年団、ちょっとお金はかかるけれど預ければ安心のクラブチーム。どちらに入れるべきか…。
こどもに最善の道を選択してあげるのが親のつとめ。けれども、どんなチームに入団するかで、今までの生活に大きな影響を及ぼすことがあるだけに、慎重にならざるをえないのが親の本音でしょう。
photo credit: Street Warriors via photopin (license)
良いチームの見分け方
さて、ここからが本題です。
一体、どんなチームに入れてあげるのが良いのでしょうか?
こどもにサッカーを習わせるなら、プロのコーチがいるチーム、たとえばJリーグ傘下のチームなどに入団させてあげるのが手っ取り早いかもしれません。しかし、すべての親がそのような環境にいるわけではありません。経済的理由もあるでしょう。
近所の少年団に入れる、もしくは近くの安いスクールに入れる…。大半はそのどちらかだと思います。
そこで、少年サッカーチームにこどもを入団させる際、それが良いチームなのか、そうでないかを見分ける方法を3つあげたいと思います。
サッカーチームの目的を見極める
こどもがチームにフィットするかそうでないかを調べる方法というべきかもしれません。
少年サッカーチームは星の数ほどありますが、それと同じようにチームの指導方針も実に多種多様です。
サッカーを楽しむのか。サッカー技術を学ぶのか。
こどもの将来をゆさぶるほど相当大きい違いです。どちらに重きを置いているか。まずは体験入団で指導者にハッキリと質問して答えをもらうべきです。
ただひとつ言えるのは、低学年のこどもにサッカーの技術を押し付けるのは、私はちょっと違うかな。
たとえば低学年のうちからポジションを固定してゲームをしているようなチームはかなり怪しい気がします。
こどもの自主性や楽しむことを優先させているチームなら、ほとんど団子サッカー(つまりサッカーのフォーメーションとかを度外視している状態)をやっています。
まずはこどもがサッカーを楽しめるかどうかです。サッカーを好きになる。そういう気持ちが根付かないと「もっとうまくなりたい」という気持ちは芽生えません。
どんな一流選手だって、もともとはサッカーが楽しいと思ってプレーしています。サッカーが好きじゃなければ、うまくなろうなんて思うわけがありません。
低学年のうちはサッカーが楽しいスポーツであることを教えてくれるかどうか。そんな説明をしてくれるチームであることが理想だと思います。
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トップチームの補欠メンバーに注目する
フロイト、ユングと並んで三大心理学者のひとりとして知られるアルフレッド・アドラー氏は、人間の精神的自立の必要性を説いています。そのために必要なことは大きく分けてふたつ。「行動面の目標」と「心理面の目標」を充実させなければならないと説いています。
「行動面の目標」とは、自立すること。社会と調和して暮らせること。
「心理面の目標」とは、わたしには能力があるという意識を持つこと。人々はわたしの仲間であるという意識を持つこと。
これらふたつを習得しないと、ハッピーになれないというわけです。
アドラーが説く「心理面の目標」はサッカーチームを選択する上で注目すべき点です。
こどもがサッカーを始めてレギュラーになれず、いつもベンチ要員だったときのことを想像してみてください。それでも「わたしには能力があるという意識」をそのチーム内で持てるかどうか。そういう指導をしているチームなら安心。ベンチ組が冷遇されるような少年サッカーチームではないか、先輩保護者に聞いてみるべきです。
たとえ試合に出られなくても、チームの一員としてやるべきことはたくさんあるはずです。
運動が少し苦手な子に対する指導理念を指導者たちに聞いてみるべきです。
指導者の固定をしているチームは要注意
こどもがいろいろな指導者に教わることはとても重要だと思います。
こどもだって人間です。相性が合う合わないということが、指導者によってどうしても出てきます。実際、指導者が変わるといきいきプレーするこどもを私は何人も知っています。
小学時代の6年間のうちに、何人の指導者からサッカーを教えてもらうことができるでしょうか。チームの中には1年から6年までずっと同じ指導者…なんてチームもあると聞きます。
サッカーに打ち込んでいると、こどもにとって指導者が教えることがすべてであるように思える時が来ます。どうしてもそれ以外は間違いであるという認識になりがちです。
たとえ自分のこどもに相性抜群のコーチがついたとしても、それはそれ。いろんな指導者と関わりを持つことで、世の中には様々な人間、様々な考え方、いろんなサッカーがあることを知ることができるのです。
同じコーチがずっと面倒を見るようなチームだと、そうした貴重な体験ができなくなってしまいます。
一流のプロのコーチに教えてもらえるようなチームなら別かもしれません。しかし、お父さんコーチがいるような草サッカーチームなら、学年またはシーズンによって指導者が変わるかどうか、入団前に知るべきポイントです。
まとめ
こども自身にサッカーを楽しむ余裕がなければ、技術の向上なんて望めません。いきなり技術を植え付けようという発想は親のエゴではないでしょうか。小学校時代は、親も、こどもと一緒にサッカーを楽しめたほうがぜったいに幸せです。
▽そのへんのことがこの本に書かれています▽